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どうすればDXが進むのか考えてみましょう
ミカタ先生: 地方の建設業の現場ではDXが進まないと言われているんだけど、その話をしてみましょうか。DX(デジタルトランスフォーメーション)は建設業界全体で推進されているけど、特に地方ではなかなか進んでいないのが現状だね。どうしてだと思う?
知太郎くん: やっぱり都会と比べて、地方の企業は規模が小さいから、DXのための資金や人材が足りないんじゃないかな?
建実さん: あとは、新しい技術に対する抵抗もあるかも。年配の職人さんが多いと、デジタルツールを導入するのが難しそうだし…。
ミカタ先生: ふたりとも、いいところに気づいたね。地方の建設業のDXが進まない理由はいくつかあるんだけど、大きく分けると
- 資金の問題
- 人材不足
- 技術への抵抗
- インフラの未整備
の4つが考えられるよ。さらに、それぞれの要素が絡み合っていることもDXの障壁になっているんだ。
1. 資金の問題 ー DXの初期投資が大きなハードルに
ミカタ先生: DXを進めるには、まずデジタルツールやシステムの導入が必要になるよね。でも、地方の建設会社は中小企業が多く、大手企業のように十分な資金を確保するのが難しいんだ。
例えば、
- 建設現場の効率化のためにドローンを導入したくても、初期投資が大きすぎる
- BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を活用したいけど、高額なソフトやトレーニング費用がかかる
- クラウド型の管理システムを導入するにも、継続的なコスト負担がある
こうした費用面の負担が、DXの導入をためらわせる要因になっているんだ。
知太郎くん: でも補助金とか支援制度はないの?
ミカタ先生: もちろんあるよ!国や自治体、業界団体がいろいろな補助金を用意しているんだけど、
- 制度を知らない
- 申請の手続きが複雑で難しい
- そもそも申請にかける時間や人員が足りない
といった理由で活用できていない会社も多いんだ。
2. DXを担う人材が不足 ー ITスキルを持つ人がいない!
建実さん: そもそもDXを進めるには、デジタル技術に詳しい人が必要だと思うんですけど、地方の建設業にはそういう人が少ないんじゃないですか?
ミカタ先生: そのとおり!DXを推進するには、
- ITに詳しい人材の確保
- 既存の従業員へのデジタル教育
が必要になるんだけど、これが地方では特に難しいんだ。
都市部の企業ならIT企業と連携してDXを進めることもできるけど、地方ではIT企業自体が少ない。さらに、
- IT人材を雇いたくてもそもそも応募者がいない
- たとえIT人材を採用できても、建設業に興味を持ってもらえない
こういった課題が重なって、DXが進みにくい状況になっているんだね。
3. 技術への抵抗感 ー 世代間ギャップがDXを阻む
建実さん: やっぱり、新しい技術に対する抵抗感も影響してるんですね?
ミカタ先生: そうなんだよ。建設業は昔からの「職人技」や「経験」に依存する部分が大きいから、新しい技術を取り入れることに不安や抵抗を感じる人が多い。
例えば、
- ベテランの職人さんが「紙の図面で十分なのに、タブレットなんていらない」と思ってしまう
- 現場の作業員が「今までのやり方で問題なかったのに、新しいシステムを覚えるのが面倒」と感じる
さらに、若手とベテランの間の意識のギャップもDXの妨げになっているんだ。
知太郎くん: じゃあ、どうすればいいの?
ミカタ先生: ポイントは「DXのメリットを具体的に伝えること」だね!例えば、
- 「このアプリを使うと施工ミスが減るし、資料を探す時間も短縮できる」
- 「電子図面を使えば、現場で簡単に情報共有できる」
といったふうに、ベテランの人たちが納得しやすい形で説明することが重要なんだ。
4. インフラの問題 ー 通信環境の整備も必要
建実さん: そういえば、地方だと通信環境とかも関係あるんですか?
ミカタ先生: そのとおり!地方では、建設現場が山間部や離島などの電波が弱い場所にあることも多い。例えば、
- クラウドを活用した施工管理アプリを使いたくても、現場でネットがつながらない
- 遠隔監視カメラを設置しても、データ送信が不安定で使えない
こういった通信インフラの未整備がDXの障害になっているんだ。
DXを進めるためには?
知太郎くん: じゃあ、地方の建設業でDXを進めるにはどうすればいいの?
ミカタ先生: 大事なのは、小さく始めて、着実に進めること!
- コストを抑えて導入しやすいツールを選ぶ
- スマホやタブレットで簡単に使えるDXツールを活用する
- 自治体や業界団体の補助金・支援制度を積極的に活用する
さらに、社内の意識改革も重要だよ。
- 「新しい技術を学ぶことで、作業が楽になり、安全性も向上する」ことを伝える
- 若手社員が主導して、ベテランと一緒にデジタルツールを試してみる
こうした取り組みを少しずつ積み重ねていけば、地方の建設業界もDXを進められるはずだよ。
建実さん: なるほど!DXって、単なる技術導入だけじゃなくて、人の意識や環境づくりも大切なんですね!
ミカタ先生: そのとおり!少しずつでもDXを進めていけば、地方の建設業ももっと効率的に、安全に、働きやすい環境になっていくはずだよ。